「大丈夫じゃないだろ。車で送る」
一平はソファにもたれかかった元気の首筋に手をかけた。
「いいよ。打ち上げ、行くんだろ? 一平」
「んなもん、どうでもいい」
「そういうわけには……」
元気の言葉は一平の唇に遮られた。
「一平、そろそろ打ち上げに……」
バン、とドアが開くのと、豪の声はほぼ同時だった。
「……! いっぺ…い……も、よせ……」
ようやく一平が元気から離れるまで、数秒。
「先、行ってろ」
一平が命令口調で豪にそう言うと、ドアはバシン、と音を立てて閉まった。
その夜、一平は元気を自分の部屋に連れ帰ったまま、打ち上げもすっぽかした。
携帯にみっちゃんから連絡が入ったらしく、元気が熱を出したので行かない、と一平が言っているのが、元気にも聞こえた。
それから二日間、元気は一平の部屋で寝込んでいた。
二日目の夜、一平は熱が下がったばかりの元気を抱いた。
病み上がりだからと元気がいやがっても、一平は聞かなかった。
慣れきった情事には抗し難く、やがて元気も溺れていく。
それでも、いつからか自分の中に住み着いていた焦燥感を元気は振り切ることはできなかった。
――――きついんだ! もう!
もうここまで、きつさがせりあがってきて、窒息しそうになってる。
俺は、何?
お前にとって、何?
必要なダチで、必要なメンバーで。
お前は俺のことを好きなんだろう。
時として、こんなに優しい。
でも、俺の好きとは違うんだ、きっと。
俺らはダチで、こんなの、その延長上の戯言で。
だからお前は、明日はきっと誰かのところに行く。
けど俺のこの想いは段々きつくなってきて、俺はもう耐えられない。
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