「そら、ええわ、俺も日頃なまった身体をちょお引き締めなあかん思うとったんや」
三田村も既に研二と辻の話に乗っている。
「ハイキングて、どこ行くんや?」
「碓氷峠見晴台? がハイキングコースてなってるで」
千雪の質問に携帯を見ながら辻が答えた。
「ここ、せいぜい十分程度やで?」
「はあ? 何でそれがハイキングやねん」
「ここ、白糸の滝やったら十分ハイキングになるやろ?」
三田村が勢い込んで言う。
「歩きやと約二時間やで」
「いきなり白糸の滝まではきついぞ。信濃路自然歩道くらいにしておけ。約十一キロだから歩くんならちょうどいいだろう」
京助が話に割り込んだ。
「それくらいが妥当やないか?」
研二が賛成した。
「ほな、それ、行こ!」
三田村が拳を上げて行った。
「お前ら、歩くんなら、それなりのシューズ履いて来い」
京助がサンダル履きの三田村に言った。
「ラジャ!」
三田村、辻、研二と千雪の面々はそれぞれ二階へと上がって行った。
「何、ほんとに体育会系合宿やってんの?」
「当たり前だ。お前も混じるんならいいぞ?」
ニヤニヤと聞いてくる速水に京助が言った。
「とんでも遠慮しとく。ここまで来てお前のシゴキに付き合う気はない」
「だったら何しに来たんだよ」
「温泉旅行っつったろ? 俺らの面倒は見なくていいが、せめて部屋くらい案内してくれよ。レディたちもいることだし」
そのレディたちは玄関横の応接用のソファに座っている。
その向かいで佐久間は身を縮こませている。
「知るかよ。勝手に来たくせに。南側からなら空いてる部屋はあるだろ。言っとくが、公一を使うなよ? あいつもこっちの仲間だからな。まあ、体育会系のシゴキには付き合わないらしいが」
京助は理香よりも一切奈々子と口を聞こうともしなかった。
どういう根性だ? 呆れるぜ。
それから京助はキッチンに向かうと、ダイニングでお茶の用意をしていた公一を見つけた。
「おい、そんなことしなくていいぞ」
「はあ、でも今しがたオヤジから、速水さんと理香さんが向かったからよろしく頼むって電話が入ったんで」
「あいつら勝手に来やがったんだ。一切世話なんか焼くな」
「ええ、でも女性お二人いらしたし」
公一は口ごもる。
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