メリーゴーランド171

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「一応確認するけど、まさかの、名探偵狙いとか?」
「だったら何よ?」
 アスカの答えに、速水は理香と顔を見合わせた。
「それ、あんまりお勧めしないけどな」
 理香は「ね」と頷いた。
「何よ、はっきり言いなさいよ!」
 アスカは二人に詰め寄った。
「言ったらお前、また火を噴きそうだからな」
「どういうことよ?」
 イラつきながらアスカは声を上げた。
「アスカさん。そのくらいにしておきなさい」
 それまで全く存在を消していたかのように、黙って暖炉の近くでタブレットを叩いていた秋山が言った。
「人にはプライバシーというモノがありますからね」
 振り返ったアスカは秋山を睨み付けた。
「その通り。まあ、どうしてもってなら、京助にでも聞くんだな。千雪ちゃんは自分では言わないからな」
 今度は速水を睨み付けたアスカはフン、とばかりに二階へと駆け上がった。
 どういうことよ?!
 何で? 速水も理香も事情を知っているってこと?
秋山さんも?
 わけがわからない苛立ちにアスカは思い切り部屋のドアを閉めた。
 今まであんな人いなかったわ。
 ただ綺麗な人はいっぱいいた。
 けど、中身なんてみんな同じ。
 ちょっといいかなとか思っても、ヤリたいばっかで、忖度したり、お金しか興味なかったり、自己中だったり、言ってることとやってることが違ったり、ロクな人間いやしなかったわ。
 でもユキは違う。
 まるで、小説の中の人みたいで…………。
 あたしが必死になって逃げてるのに、周りの人なんて我関せずで!
 そうよ、あたしだって、下手なことに関わりたくないって思うわよ。
 誰が、自分が怪我を追ってまで人のこと助けたりする?
 警察だって、ことが起きなきゃ動かないじゃない!
 速水ってば、ヤな言い方!
 何があるっていうのよ?
 何で京助に聞け、なのよ?
 ユキは自分では言わないって、どういうこと?
 ベッドの上に寝転がったアスカは心の中でいろんな疑問を並べ立てた。
 うつらうつらしていたアスカは携帯のコールではっと起き上った。
「夕食の時間だそうです」
 秋山だった。
「わかりました」
 全くこの秋山という男は。

 


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