自分で言っておいて、自分で琴線に触れてしまったようだ。
俺のせいやないやろか。
大切な幼馴染に恋心なんか持つから、研二を離婚させてもたのは俺やないんか?
江美ちゃんを死なせてもたんは俺やないんか?
俺は何やってんね。
俺なんか人に愛されるような資格あれへん。
京助が執着するほどの何も俺にはないんや。
カタン、と椅子の音がして、千雪は席を立っていた。
「おい、千雪!」
京助が立ち上がった時には既に研二が千雪に追いついていた。
「千雪」
研二の声が千雪の耳元で聞こえた。
涙が勝手に頬を伝う。
突然の涙腺崩壊。
千雪の中で鬩ぎ合う感情を自分ではどうにもならなかった。
立ち上がった京助は、苦い思いを噛みしめながらもとりあえずそのまままた座った。
「ユキ、どうしたの?」
心配そうにアスカが呟いた。
「まあ、放っといてやってや。俺ら最近大切な幼馴染亡くしてしもて」
三田村が弁明するように言った。
「あれやな。精神状態不安定やから、特にあいつ」
「え………」
アスカは千雪らが去った方を振り返った。
「今回はこいつら同級生のために計画したんだ。それをわかってて克也なんか引っ掻き回しに来やがって、何が心理学者だ」
京助は肉を口に運びながら文句を垂れた。
「俺は別にお前らの邪魔しにきたわけじゃない、たまには温泉もいいよなって、ここを思い出しただけだろうが」
しゃあしゃあと抜かす速水を京助はフンと鼻で笑う。
「あの、俺、何も知らんと、そんなわけがあったやなんて」
佐久間は非常に恐縮して下を向いた。
「あの、聞いてええかどうか、どなたはんが亡くなりはったんでっか?」
佐久間は隣の辻に聞いた。
「お前、今年の正月、千雪んちに来たやろ?」
辻を横から三田村が佐久間に言った。
「あ、はあ」
「そん時いた、いっちゃん可愛い子や」
「え……いっちゃん可愛い……て、きれいどころと美人さんと可愛い人いてはった気ぃするけど、ほんまもんの芸妓はんまで来やはって、俺、酔っぱらってしもて」
「ちょっと佐久間! ユキの家に行ったの? 後輩の分際で」
アスカがおかしな方向から佐久間を責める。
back next top Novels
