お正月7

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 どうやら思いの丈は違うとしても、京助はこの先ずっと千雪の傍らにいると決めていた。
 千雪はキッチンで湯を沸かしているフットワークの軽い男を見てまた笑みを浮かべ、ふと、確かに新幹線は二人でよかったななどと思い出していた。
 たかだか二時間弱の旅だが、弁当を広げながら、今日は富士山がきれいじゃないかなどと他愛無い会話をするのもまた楽しいものだと。
 俺も歳くうたんやな……
 少し喉を潤してまったり落ち着いたあと、二人は食材を買い出しに出かけた。
 大型スーパーまで歩いたのだが、やはり人通りが多い。
 それに寒い。
 マフラーをしっかり巻いていても冷たい風がまともに吹きつけて、千雪は首を竦める。
「大丈夫か? 軟弱だな」
「うるさいわ、でかくて頑丈なお前と比べンなや」
 憎まれ口を聞きつつ、スーパーに入っても、生鮮食料品売り場はまた寒い。
「軟弱物はどっか、あったかそうなところに行ってていいぞ」
「やから、平気やて」
 千雪はムキになって寒さを我慢する。
「明日、何人来るって?」
「うーん、春に集まった連中プラス二、三人てとこやろ」
 先週三田村から電話が入り、京都に帰るのなら、また千雪の家に集まることになっている、という。
「なってる、て、どういうこっちゃ? 俺、何も聞いてへんで」
 また勝手に決めている男に、千雪はきつい言葉を投げつけた。
「やから、今言うてるやんか」
「俺の都合をまず聞いてからやろが」
「まあま、一日の晩、桐島も一緒やからよろしゅうに。京助さん、三ツ星レストランのシェフ並みやて? 楽しみやな」
 三田村は調子よく話を進めた。
「勝手なこと言うてからに、京助が行くかなんてわかれへんで」

 


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