「ほんま、先輩いつの間にあんな超美人と……」
何故、京助の連れているのがそれほどの美人とわかったかというと、佐久間が目を向けたすぐに、その超美人が一瞬佐久間を凝視したからだ。
「にしても、理沙子さん、この店、先輩が来るて知ってて来たんや」
「っふふ、なーによ、ヤキモチ? 週刊誌の編集部にいる同期がこそっと言ってたのを聞いたのよ。最近たまに綾小路京助がこのあたりをうろついてるって、真夜中に」
「はあ、京助先輩ならいつかて女連れでうろついてますやろ」
「相手が超美人ってことは噂になってるけど、正体が謎なのよ。スーパーモデルでもどこぞの財閥の令嬢でもないらしくて、同期の話だと、きっと落ちぶれた旧家の令嬢かなんかじゃないかって」
「はあ、確かにあんな美人なら、すぐにわかりそうやのに、旧家でも外国やないかな、どっかエキゾチックやから」
「こっそり写真撮っちゃおうか。徹の先輩ネタって、何にも話題がない時とかベストらしいのよ」
この理沙子の発言には、佐久間も慌てた。
「あかんわ、それだけは。先輩を売ることになってしまうがな。オフレコに願います」
「わかってるって、ジョークよ。せっかく二人でお楽しみのところに水を差すようなことしないわよ」
理沙子はマーテルをごくごくと飲み干し、「おかわり」とバーテンダーを呼んだ。
それにしても遠目に見ても透き通るような肌のクールな美人だな、ともう一度奥を振り返った佐久間は、その美人の強烈で睨みつけるような眼差しに出くわして、少したじろいだ。
「きっつう……それにしてもあの美人さん、えろ、きつそうや」
すぐに視線を外してグラスを空ける佐久間を、奥の席で本気で一瞬睨みつけた噂の美人は言葉も苦々しそうに呟いた。
「何で、佐久間がいてるんや!」
「ああ?」
言われてカウンターに座る女連れの佐久間を認めた京助も眉を顰めた。
back next top Novels
にほんブログ村
いつもありがとうございます
