「プラグインって、ギャラリーの下にあったオフィス?」
「そう、あれがちっぽけながらも我々の城です」
自慢げに言うと、藤堂は盛りつけられた大皿の合間に、重ねられた取り皿を置いていく。
「とかいっても、河崎さんも藤堂さんも英報堂のトップだったんです。浩輔さんと三浦さんもみんな元英報堂社員」
「へえ、エリート集団いうやつ?」
良太の説明に小林が頷いた。
そのうちに客が次々とやってきた。
さやかがフランス人の友人二人を連れて現れる。
見栄えのいい金髪の男たちだ。
直子は目一杯おしゃれした女の子二人を連れて現れ、場は一気に賑やかになった。
「佐々木ちゃんが皆さんによろしくって。これ、佐々木ちゃんからの差し入れでーす」
「それは残念だなあ」
藤堂は直子から受け取ったコニャックを押し頂いた。
「え、佐々木さん、来られないんだ?」
浩輔が直子の言葉を受けて聞き返した。
「うん、仕事、どうしてもキリつかなくて」
浩輔は残念そうに、そっか、仕方ないね~と笑った。
そのあとギャラリー銀河のアシスタントである啓子が、社長の美保子の差し入れだと言って、大きな器二つを持った寿司屋と一緒に現れると、「おおおー!」とみんなが拍手喝采で出迎える。
「遅くなりまして」
次に現れたのは、銀縁メガネのいかにもエリート然とした三浦だ。
「河崎さん、一時間くらい遅くなるそうです」
「ああ、達也のことはいいの、ほっとけば。じゃあ、これで大体そろったねー。じゃあ、みなさん、順番に用意してきたプレゼントをどこかに隠してみよう。最初は悠ちゃんからね。他のみなさんはちょっと廊下の方に出てくださいねーー」
藤堂の合図でみんなぞろぞろとリビングの外に出た。
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