「見つけた方は、もちろん皆さんが用意されたプレゼントと一緒にもらえますからね。皆さん、頑張って見つけてください!」
一番くじを引いたのは高津だった。
「一等賞だっ! ハワイ、ハワイ、ディズニーランド、ディズニーランド!」
呪文のように繰り返しながら、隣の部屋に飛び込んだ。
「あったっ!」
ラッピングされた小さな箱を持って足早に戻ってきた高津は、いそいそとリボンを解く。
もうハワイかディズニーランドかが当たったか、と思いきや、中から出てきたのは皮製の手袋だった。
男物だ。
「おお…ありがとうぅうう! これでこの冬も何とか越せますぅ」
手袋を額に押し付けるように高津は拝む。
「あたしの、それ」
「えっ、淳子ちゃんの? な、なんか、運命を感じるなー俺」
直子と一緒にきた少しおとなしめの淳子がふふっと笑う。
くじの順に、それぞれプレゼントを見つけていく。
最後のくじを引いたのは小林だ。
小林のマフラーは、浩輔がきれいにラッピングしてくれた。
河崎と藤堂はくじに関係なくみんなが探し出した後ということになっている。
大きなものは早くに見つかった。
悦子が見つけたのは、小笠原が持ってきたブランド物のセーターだ。
男物女物二枚入っている。
「きゃあ、すてきーー嬉しい! 彼も喜ぶわ、きっと」
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