ハワイ旅行券も早速見つかった。
「ハワイだーーーーーーっ!」
叫んだのは直子だ。
「あたった、あたったわ、藤堂ちゃん、ありがとおおおお!」
喜んで直子は藤堂に抱きつく。
「よかったねー、直ちゃん。ほら、もう一つ、探さないと」
ニコニコと藤堂は直子を急かす。
直子はさやかの友人、パスカルの隠したポーチを見つけてまた喜んだ。
悦子や高津ら、アーティストのプレゼントはまた、みんなの興味を引いた。
染料でペインティングを施した和風のバッグはもう一人のフランス人、ジルが見つけてとても喜んでいる。
高津の細工した銀のリングを見つけたのはさやかだ。
「いいわねー、これ。一点ものよねーー」
悠の番になったときだ。
悠がディズニーランドのチケットを見つけたのに、また元に戻したのを、藤堂は何気に見ていた。
そんなに気を遣わなくてもいいのに。
とは思うものの、それが悠らしいところだ、と益々悠が可愛くなる。
悠が隣の部屋で見つけたのは浩輔がラッピングした小林のマフラーだった。
袋からあさぎ色のマフラーを取り出すと、そばにいたさやかが、「あら、可愛い。悠ちゃん、その色よく似合うわよ」と言う。
以前、さやかにもさんざんからかわれたので、またぶすっとした顔で袋に戻した。
「どなたのプレゼント?」
さやかがみんなを見回した。
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