ACT 9
テーブルの上がほぼ片付くと、「俺らこれから二次会!」と高津と悦子がタクシーを拾って去り、浩輔を伴って河崎も帰った。
「高津くんたちと一緒に飲みに行ってもよかったのに」
高津たちが帰り、ぼうっと突っ立っている悠に、サンタから復帰した藤堂が声をかける。
「そんなの、誰が行きたいって言ったよ!」
声を荒げた悠は、たったかゴミ袋を掴んで玄関に運ぶ。
「あとはいいよ、君たちもお疲れ様」
どうも悠はご機嫌斜めだな、とちょっと首を振ると、藤堂は良太と小林に向き直った。
「あ、迎えきてもらうんで、良太送りがてら帰らしてもらいます」
良太が食洗機に入らない食器を洗い、小林が拭いて食器棚にかたづけている。
「おや、そう?」
藤堂はふと、車の中での疑問を思い出した。
「ところで小林くん、君が本当の君を隠しているのは、もしや、悪の組織を垣間見たため、とか?」
「それって、藤堂さん、『コナン』じゃないですか」
良太は呆れてふう、とため息をつく。
「ハハ、まあまあ、良太ちゃん」
「別に深い意味はないんですよ、昔から女みたいや、とかからかわれよったし。こっちきて、別の自分になってみたいとか思て、高校卒業したとき」
小林は何気に語る。
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