みんなはっぴぃ 35

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「なるほど、大学デビュー? ってやつか。美貌の主にはそれなりの事情があると」
 うんうんと藤堂は一人頷く。
 そのコメントには小林がちょっと眉をひそめている。
 玄関でゴミをまとめていた悠はリビングに戻ってきたが、親しげに笑っている三人が目に入り、自分には入り込めないようで面白くない。
「アイちゃんの散歩行ってくる!」
 アイちゃんはその言葉の意味がわかっているようだ。
 すくっと立ち上がると、悠に駆け寄っていく。
 セーター一枚で出て行こうとする悠を、「ちょっと待て」と藤堂が呼び止めた。
「今夜はひどく寒いし、そんな格好じゃ風邪ひくよ」
 悠はむすっとしたまま自分の部屋からダウンジャケットを取ってくると、アイちゃんにリードをつける。
「あ、こら、悠ちゃん!」
「何だよ、ちゃんと着てるだろ」
 ソファに放りっぱなしになっていた、交換プレゼントで悠がもらったマフラーを手に取ると、悠の首に巻きつけて前で結ぶ。
「これで、よし」
 にっこり微笑む藤堂を見ると、今度はまた急に恥ずかしくなり、「行ってくる」と悠はそそくさと出て行った。
「何か今日のパーティもあまり楽しんでなかったみたいだからな。まあ、学生時代なんて騒ぎたいばっかで、こんな子供だましのパーティは面白くないのかもしれないが」
 藤堂は玄関の方を向いたまま、そんなことを口にする。
「まあ、今の学生はそうかも……」
 ポツリと良太もうなずく。

 


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