サンタもたまには恋をする 19

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「今、制作中です」
 悠はどうしても藤堂に対しては仏頂面になるらしい。
「間に合うのか? それで」
「間に合わせる!」
 悠はむきになって言い放つ。
「まあ、日がないから、この絵の中からこちらで選んで広告や案内状を作るが、いいね」
「…いいっす」
「表現力は問題ない。あとは本人の経験値、ってとこかな、ハルカちゃん」
「ハルカちゃんとか、言うな!」
にっこり笑う藤堂をきっと睨みつけ、悠は拳を握り締めて立ち上がる。
「じゃあ、よろしくお願いします!」
「ああ、それから」
 決闘でも申し入れるかのように挑戦的な態度の悠に藤堂が声をかける。
「この契約書にサイン捺印、それと連絡先、電話か携帯の番号聞いてなかったね。昨日は公衆電話だったみたいだから」
「今、印鑑持ってないし、それに俺、電話も携帯もないから、高津の携帯にお願いします」
 差し出された書類を仏頂面のまま悠は受け取った。
「じゃあ、なるべく早く書類は持ってきて。で、その高津くん、の番号は?」
「え…と、090の……」
 藤堂は手帳に番号をメモして顔を上げる。
「じゃ、俺、バイトがあるんで……」
 あきらかに逃げ出そうとするかのように、悠はドアへと向かった。
「ちょっと待った」
 藤堂はまたドアを開けた悠を呼び止めた。

 


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