「作品展の案内状ですか? いいですよ。ホームページに飽きてきたとこだから」
早速案内状のデザインを頼まれた浩輔は藤堂を見て、「何か、楽しそうですね」と言う。
「まあね、この作品描いた学生が、なかなか面白いんだ。作品もいいよ、さっきデータをサーバに落としたから、見てみな」
「あ、これですか、ああ、いいですね、ボッティチェルリを思わせる空気感? 技術もかなりハイレベル。このブルー、いいなあ」
ファイルを開いて浩輔も納得する。
「だろう?」
浩輔の言葉に、藤堂はまるで自分のことのように誇らしげに頷く。
あれだけたきつければ、かなり負けず嫌いらしいし、きっといいものを創るに違いない。
早く絵を見たい。
あの蒼が、何だろう、ひどく気になる。
あの真っ直ぐな黒い瞳の見つめる先が……。
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