サンタもたまには恋をする 44

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 冬に入る前に思い切りよく晴れた日の午後だった。
 温かい日差しを横顔に受けながら、悠が夢中で絵を描いていると、チャイムが鳴った。
 宅急便か何かかと思ってドアを開けると、飛び切りの美女が立っていた。
「あなたが義行の新しい同居人?」
 不躾にそう切り出され、悠は戸惑いながらその美女を訝しげに見つめる。
「藤堂さん、今、出張でいないんですけど」
「知ってるわ。美香と一緒でしょ?」
「え?」
 彼女のひとことが、悠の胸の奥に飛び込んでくる。
「美香…って…」
 その名前は昨夜藤堂の口から聞いたばかりだ。
 また、達也なる男からの呼び出しがあり、藤堂はその美香の件で急遽出張することになったのだ。
「美香って、長谷川美香のことよ。そのくらい、知ってるでしょ? あら、すてきね」
 美女は勝手知ったるとばかりに部屋に上がって絵を眺め始めた。
「……って、まさかあの、女優の?」
「そうよ」
 悠は驚いた。
「藤堂が、なんでそんな女優なんかと…」
「そりゃ、仕事だもの、女優だのモデルだの、彼、マメだからもてるのよね」
「仕事って、藤堂、ギャラリーの人じゃ…」
 意外な話の展開に悠は戸惑った。

 


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