サンタもたまには恋をする 45

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「やだ、そっちはボランティアみたいなもんよ。義行の本業はアカウントエグゼクティブ。彼、もともと英報堂営業のトップだったの。達也と一緒に会社興したのよ」
 そんなこと何も知らなかった。
 藤堂だって教えてくれなかったし。
 悠は頭を混乱させる。
「物が増えたわね。あたしがあげた冷蔵庫も使ってるんだ。あ、あたし、松井さやか。義行とは大学からのつき合いなのよ」
 どうやら藤堂と親しいのだと言いたいらしい。
 彼女、ではないようだが、藤堂のことを好きなのだろうか。
「そういえば、義行ってば、マミとかってモデルにはかなり入れ込んでいたけど、ふられちゃったみたいねぇ。長谷川美香とはうまく行ってるのかしら?」
 彼女の言葉は悠の心をイチイチひっかいていく。
「そんなこと、俺は知らねぇよ!」
 何だよ、マミって!
 今まで考えてもみなかったが、確かに藤堂に恋人がいても不思議はない。
 だが相手が女優とは思いもつかなかった。
「そ? ま、いいわ。じゃ、義行が帰ったら、また飲みに行こうって言っといて」
 さやかは言うだけ言ってさっさと帰っていった。
 いったい何をしにきたんだ? とは思うものの、悠の心の中にどんどん得体の知れない暗雲が広がっていく。
「何だよ、何で俺がおたおたするんだよ!」
 英報堂。
 名前ぐらい悠でも知っている。

 


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