幻月23

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 絶対会うと、良太が意気込んでいたにも拘わらずことはそう簡単ではなく、翌日、小田に確認したところ、今はまだ弁護士以外接見できないと言われてしまった。
 実際よく卒業できたというくらいな良太は、そんなこともあったかもしか覚えていない。
 俺の頭はやっぱ空っぽだ。
「逮捕されて間もないし、工藤が容疑を否認している限り、接見は難しいよ」
 良太は千雪ではないが、警察に対してコノヤロウと罵った。
 日本のドラマなんかでは正義の味方のように扱われていることが多い警察だが、今初めて警察こそが悪じゃないかと思ってしまった。
 千雪がこき下ろしていた心情がよくわかる。
 良太はとりあえず自分がしなくてはならないことをした。
 社員に連絡を取ったところ、全員が集まってくれた。
 鈴木さんをはじめ、小笠原と真中、志村、小杉、奈々、谷川は撮影が一週間後に京都で再開されるがそれまではこちらで各々仕事をこなしていた。
 それに秋山とアスカ、それに平造、これが全社員とタレントである。
 良太は慎重に説明をした。
 工藤が殺人事件で逮捕されたこと、本人は否認しており、薬を盛られたらしくはめられたのではないかということ、小田が接見に行っていること。
 皆は一様に神妙な顔でじっとそれを聞いていた。
 もしかすると、社員の中には、特に元刑事の谷川などは、工藤を信用できずに仕事を辞めると言い出すかもしれない、良太はそういったことも覚悟の上で端的に話をした。
「フン、そりゃ、警察は完全に工藤をクロとして立件するつもり満々じゃないのか」
 そんなことを言ったのは谷川だ。

 


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