寒に入り25

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 ドアが閉まるなり、工藤は良太の腕を引くとその後ろ頭を持ち上げるようにして唇を重ねてくる。
 執拗でエロいキスに酸欠になりそうで喘ぎながら工藤のコートを掴む良太だが、そのうち夢中にさせられて身体から力がふっと抜けていく。
 唇が離れると、良太は思い切り息を吸い、「玄関先でエロいキスすんな…」と悪態をつく。
「寒がってたくせに。じゃあ、ベッドに行ってからにするか」
 工藤はよろめく良太を引きずるようにしてベッドに直行する。
「オッサンモード全開じゃんかよ……」
 ブツブツ口にしながらコートを脱ぐ良太の腕を引っ張ってベッドに押し倒した。
「オッサンだからな」
「開き直りやがって!」
 そんな科白を聞き終える前に工藤は手早くセーターを脱がせると、良太の鎖骨のあたりから首筋へと淫猥に舌を這わせる。
 それだけで良太はゾクゾクと甘い戦慄に身悶えする。
 熱く滾った工藤が良太の中に侵入するが、淫靡に溶けている身体はむしろ悦んでいる。
 さらに奥を擦られると、悲鳴のような声を上げていきつき、良太の目尻から涙が零れ落ちる。
 ようやく息が落ち着いてきた良太が上気して潤んだ目で工藤を見上げると、また唇が塞がれた。
「…はっ………! ……苦し……も……なんだよっ……!」
 固い分厚い旨に触れるだけで安堵すら覚えながらも、やっと離されて文句を言う良太を、工藤はくるりと伏せさせる。
「やっ……くど……」
 中へと穿つ工藤だけでなく、尻を這うその指にも唇にも感じまくって、良太は幾度となく追い上げられる。
「……エロ過ぎ…だろ………あ……も………」
 喘がせられて文句も絶え絶えになる。
「しばらく逢えないからな……ガキはどうせもてあましてるんだろ」
「…うっせ……!……クソ……オヤジ……」
 揶揄する工藤に突っかかる言葉さえ艶めいてしまう。
「良太」
 ゆっくりと甘く穿たれながら、耳朶に声を落とされた途端、良太は意識を手離した。
 

  
 
 都内老舗ホテル麒麟の間にて、青山プロダクション主催で社員のための慰労会が行われたのは、一月半ばの金曜日のことだった。
 社員とタレント合わせても十数名、その家族を招いて総勢三十二名のイベントは、会社設立以来初めての試みとなった。
 毎年末に自社ビルの五階フロアで行う業者相手の忘年会は、常に二百名前後は入れ代わり立ち代わりやってくる賑やかなものだが、社員相手となると俳優数名を抱えている事務所としてはスケジュールの都合で旅行というわけにもいかず、苦肉の策で良太が陣頭指揮を執っての慰労会となったわけだ。
 金曜日の今夜は慰労会として、ホテルのメインレストランと鮨店、パティシェリからシェフやスタッフに来てもらい、バイキング形式で豪華な料理が振舞われ、年配の家族も割と多いため鮨は好評だった。
 コース料理となるときちんと座って料理を食べることに重きを置かれるため、家族間の交流も考えた上で、そこそこの広さの宴会場を借りて、テーブル席も無論用意した。
 最初に良太がざっと誰誰のご家族です程度の紹介はしたが、一応工藤の挨拶に数分を要したのみで、堅苦しい挨拶などは取っ払ってそれぞれに楽しんでもらうことにした。

 


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