寒に入り46

back  next  top  Novels


 工藤の左手が良太の後ろ頭を抱え、ねっとりと濃厚に良太の口腔を蹂躙すると、ジタバタしていた良太も次第におとなしくなる。
 やっと唇が離れたかと思えば、良太は横抱きにされて工藤を見上げる妙な恰好になっている。
「結構酔ってるだろ。あんた酔うとエロおやじ丸出しになるし」
 文句の一つも言ってやらないではいられない。
「ふーん、ご要望とあらば、エロオヤジ丸出しにならないとな」
 工藤は片方の手でズボンのベルトを外そうとガチャガチャやり始めた。
「あっ、バカ! ただの比喩だ比喩!」
「比喩でも何でもいいが、こっちはもうおさまりがつかなくなってる」
「わああっ!」
 絨毯の上に押し倒された良太は、思わず悲鳴を上げる。
「お前、この期に及んで強姦魔に襲われてるみたいな声を出すな」
「……こんなとこで、やんのかよ」
 良太は上目遣いに工藤を睨んだ。
「炬燵はなかなかいいもんだな」
 ニヤつきながら、既に工藤は良太のスウエットのズボンを引き下ろしかけていた。
 再び工藤のキスが良太を襲うと、良太は仕方なく工藤の背中に腕を回した。
 とっくに最初のエロいキスに反応していた良太に工藤の脚が絡みつく。
 性急に良太に入り込んだ割には、工藤は十二分に良太を善がらせていく。
 炬燵の横で男たちがくんずほぐれつし始めると、何ごとかとばかりに炬燵で寝ていた猫たちは飛び上がって自分たちのベッドへと避難した。
 良太は頭の先から爪先までを工藤で一杯にして、耳朶に「良太……」と呼ばれた途端、深くいきついた。
 同時に果てた工藤は動かない良太の額にキスを落とした。
 
 

 工藤は珍しく朝もゆっくりしていた。
 良太はマグカップにコーヒーを入れて、新聞を広げている工藤の手の傍に置いた。
「俺、朝飯買ってきます」
 猫たちにご飯をやってから、良太は部屋を出た。
 ここのところ食料品を調達する機会はなかったから、冷蔵庫には古くなったバターやマヨネーズくらいしか入っていないのだ。
 エレベーターを降りて道路を渡り、歩いて二分のところにあるコンビニで、良太はサンドイッチやサラダなどを買った。
 何もないからって、ほっとくと、あの人、何も食べないからな。
 どうかすると腰のだるさを感じて、良太は一人赤面する。
 ったくあのエロオヤジと来た日には!
 夕べは久々濃厚な夜を過ごしてしまった。
 お約束のように工藤に翻弄されて、頭がぼうっとしたまま一緒にシャワーを浴びて、ベッドに入ったことまでは覚えている。
 だがそれ以降は白濁としていた意識を手放してしまった。

 


back  next  top  Novels