「あ、はい」
戸外での夜宴で遅くまで騒いで、立ち並ぶマンションの住人など、周囲の迷惑にならないように配慮はしなくてはならない。
十一時前にはお開きにすると、タクシーを数台呼んで良太はみんなを送り出した。
既に奈々は十時を過ぎる頃にはもう谷川がタクシーで八王子の実家まで送って行った。
「俺らは歩いていく」
そう言いながら宇都宮や下柳と一緒に六本木に繰り出すのだと、工藤を誘ったのは坂口だ。
「いや、今日は遠慮しときます」
きっぱり断る工藤に、「何だ、また風邪ってんじゃないだろ?」と聞き返した坂口だが、しつこく言うこともなく、オヤジたちは会社の前の道を歩いて行った。
「楽しかったわ。良太ちゃん、もう明日は休んじゃっていいからね」
ひとみは良太をハグすると須永を従えてタクシーに乗った。
直子をタクシーに乗せると、沢村と良太に「招待状出すから」と告げたかおりは、別れ際に沢村に佐々木のことを聞きだしていた。
「やっぱり? じゃあ、良太くんの相手って誰よ?」
かおりは二人に聞き返す。
顔を見合わせる沢村と良太にさらに何か言おうとしたかおりを促して肇はタクシーに乗り込んだ。
良太と森村が片づけを始めると、社員だけでなく小笠原や志村、沢村や研二、匠や京助や加藤らも手伝ってくれて、ゴミは袋にまとめられ、食器類はオフィスのキッチンに運び、いくつか出してあった椅子やテーブルも上の階にあるリラクゼーションルームの倉庫へとたったか持って行ってくれた。
一緒にの家に行くらしい沢村と佐々木や京助と千雪を送り出すと、万里子や井上の他、ほぼ会社の社員とタレントだけになると、良太は差し入れにもらった酒や菓子を分けて持って行ってもらうことにした。
「このチョコレートは奈々ちゃんにとっておきましょう」
鈴木さんが奈々用にと取り置いて、ワインを一本持って帰って行った。
いつものように良太が警備員におすそ分けでワインや菓子を渡し、最後に森村を送り出すと、「あとは明日にしろ」と工藤が良太を促し、裏庭へのドアを閉めて施錠した。
みんなが手伝ってくれたお陰で、明日は食器の片づけくらいで済みそうだ。
「ちょっと飲むか。あとで来いよ」
エレベーターで部屋に上がると、隣のドアを開けながら工藤が言った。
「あ、はい」
疲れてはいたが工藤の誘いを断る理由にはならなかった。
良太は風呂を入れている間に猫たちの世話をし、ざっと風呂に入ると、スエットに着替えて隣へのドアをノックした。
ちょうど工藤が風呂からバスローブを羽織って出てきたところだった。
「コニャック? ああ、これ藤堂さんが持って来てくれたヤツだ」
テーブルの上にあったボトルを見て良太が言った。
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