それでも、ワインをゴクゴク飲んだ良太はそのうち酔いがまわってくると、泣いていたのが「モリーのやつがね、しきりと彼女が欲しいって俺に訴えてきて」とへらっと笑うようになり、「だけど、さすがに俺にも、はい、彼女、とかってプレゼントするわけにもいかないじゃないですか」などとケラケラ笑い出す。
「こないだの夜宴の時なんかも、小笠原も美亜さんと上手く行ってるみたいだし、沢村は佐々木さんとラブラブだし、あちこちカップルがいて、モリーのやつ羨ましかったみたいで」
「ああ、せやなあ」
どちらもマスコミには嗅ぎつかれたくないカップルだろう。
小笠原と美亜はいずれきちんと発表するなりすればいいが、沢村と佐々木はさすがにそう簡単にはいかない。
知り合いばかりが集まる夜宴だからこそ、マスコミの目を気にせずにいられたのだ。
「モリー、仕事仲間から合コンの話を聞いたらしくて、合コンに行きたいとかっていうんですけど、俺、合コンとか学生ん時以来で、卒業してからもうとんと合コンとかに縁がなくて」
「なるほど、普通の会社や大学とかなら、ようあるんやろうけどな。佐久間のやつも、よう俺のこと誘いに来よったし」
千雪はちょっと小首を傾げて思案した。
「どうせなら、シングルパーティみたいなん、やってみたらどや?」
「シングルパーティ?」
「アメリカとか、合コンみたいのはないけど何でもパーティやるやん。年齢性別関係なく飲み会でもやったらええやん。知り合いだけやのうて異業種交流会みたいな?」
「はあ。でも、綾小路のパーティとか、行ってますよ?」
すると千雪は首を横にふる。
「あれは思い切りしがらみやろ。仕事と切り離せへん」
「まあ、そうですね」
良太は頷いた。
「何なら、良太はもちろん、工藤さんとかも引っ張り込んでみたらええんちゃう? 良太も工藤さんも仕事漬けやったから、仕事抜きでプライベートいうもんがなさ過ぎるんや」
良太は今一つピンとこなかったが、「だったら、モリーだけじゃなくて、俺にも出会いがあるかもですよね」と頼りなく笑う。
「まあ、良太も工藤さんもそういうとこでお互いの認識を新たにすることもあるかしれんし」
あらためて千雪にそう言われると、「さあ、どうかな」と太は小首を傾げる。
「あとは、場所と人選、やなあ。せや、あの人、藤堂さん、イベント好きやったろ? あの人に相談してみよか?」
「うーん、でも、工藤さん、ダメだと思う。あの人、とにかくパーティや宴会嫌いで、下手すると大事なやつでもバックレる可能性あるから、俺が引っ張って行ったりしてるんですけど。夏のパーティとか、うちの大事なスポンサーの紫紀さんに誘われたから行っただけで」
千雪の提案に良太は苦笑いした。
「メンド臭い人やな、ほな、わかった。紫紀さん巻き込もう」
「ええ?」
「とにかく、あれや、それこそ異業種交流会にしてもうたら、工藤さんも引っ張り出せるやろ」
「はあ………」
「工藤さんと良太のスケジュール、知らせといて」
あまり気が進まなそうな良太の顔を見ながら、自分の思い付きに千雪は一人頷いた。
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