「あ、良太ちゃん、久しぶり!」
東洋商事本社ビルのだだっ広いロビーで三人を待っていた水野はにっこり笑って声をかけてきた。
「水野さん、今日はよろしくお願いします」
「どう? おかしくない? スーツとか持ってないから一応ジャケット着てきたんだけど、ほら、お偉いさんと会議だって聞いたから」
今日は黒い皮のパンツとタンクトップに、黒のジャケットを羽織っている。
化粧っけはないが、整った顔立ちで、やはりそこは人気アーティストの只者じゃないぞオーラを放っている。
「かっこよく決まってます」
良太が言うと、「またまた」と良太の背中をバシンと叩く。
「こちらクリエイターの佐々木さんと代理店プラグインの藤堂さんです」
水野に二人を紹介すると、水野が、あ、と佐々木を見て、
「ひょっとして天パーでしょ? 天パー同士、よろしく!」
と懐っこそうな笑顔を向けた。
「ええ、こちらこそよろしく」
佐々木も笑みを浮かべて水野を見た。
「え、あ、関西なんだ? ってか、え、ごめん、いえ、失礼、男の方?」
ここでもどこかで聞いたような対応をされて佐々木は苦笑する。
「どうりで背が高いと思った」
「関西はどちら?」
水野は佐々木が気に入ったのだろう、二人で肩を並べてエレベーターへと向かう。
「水野あきらってさ、結構不愛想って聞いたけど、何、良太ちゃんにかかるとみんなフレンドリーに豹変するわけ?」
二人の後ろから歩きながら、こそっと藤堂が良太に耳打ちした。
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