森村もいるし、どっちかというと俺より腕力とかガードも森村の方が頼りになるかもだけど。
まあ、波多野だって当然控えているからな。
でも、やっぱ、千雪さんにも頼んでおこうか。
千雪さんには腕力はなくても、ブレイン的な面で絶対だし。
あと、猫の手軍団にも声を掛けていかないと。
やれることはやっておかないと、何かあってからじゃ遅いんだからな。
来年の四月からといっても、何だかだやってるうちにきっと時間は過ぎていく。
スケジュールを立て直さないとな。
何だか色々な事を考えて逸るばかりで作っていた書類も遅々として進まず、良太は森村と午後からスタジオに向かった。
「良太ちゃん、どうしたの? 難しい顔しちゃって」
英語力、もっとちゃんとやらないとダメだ、などと思っていたので、良太がつい眉を顰めていたところを目ざといひとみにみつかった。
「あ、ちょっと色々忙しくて」
「だめよ? 高広にムリムリ仕事押し付けられてるんじゃないの?」
「いや、それは大丈夫ですから」
「そういえばさ、俊ちゃんが来週末あたり、どうかって」
「え?」
一瞬何のことかわからず、記憶を総動員して良太はようやく鍋パか、と辿り着いた。
「うーん、俺、近くなってからじゃないとわからないけど、土曜ですか?」
「そう。もしできそうなら、また俊ちゃんとこに集まろうよ」
するとそれを聞きつけて天野もやってきた。
「鍋パ? 俺も入れてください」
「わかりました。じゃ、土曜、予定しておいて下さい」
土曜なら何とか時間をつくれそうだと、良太はひとみに沿う返事をした。
「モリーも来る?」
傍に来た森村にひとみが声をかける。
「行きます行きます!」
「じゃ、竹野にもOKって返事しとくね。ほんとは竹野が来週の土曜くらいしかオフないらしいのよ」
「ああ、そういえば、映画、クランクインするんですよね、彼女、もうすぐ」
竹野紗英主演で、早逝の詩人金子みすゞの半生を取り上げた映画だという。
ある意味純粋な竹野ならいいものになりそうだと良太も思っている。
竹野も新しい一歩を踏み出すといったところだろうか。
撮影が終わって千雪のもとを訪れ、まず最初に、ニューヨーク行きのことを告げると、へえッと驚かれた。
「そらええやん、やっぱ二年とか?」
問われて良太は苦笑した。
「二年ものんびり留学気分で過ごせる身分じゃないですって。三か月です。ここだけの話、ネットプライムの方から声がかかって」
「やっぱなあ、あんなワーカホリックの工藤さんが、よう思い切ったて感心したのに」
ハハハと良太は空笑いする。
「ほんで、向こうの部屋とかもう決まってるん? ネットプライムが用意してくれるとか?」
「まさか。これから探さなくちゃって」
「ほな、京助の部屋が空いとるからつこたらええわ」
「は?」
良太は目を丸くした。
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