夢ばかりなる20

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 常々、言葉遣いはいい方ではないが、今はとげを含んでいるような言い草だ。
 真夜中の二時をとうに過ぎていたことに、工藤はようやく気がついた。
 エレベーターのドアが開くと、小笠原も乗り込んでくる。
「まさか、あんた、良太まで食ってたとは思わなかったぜ。それとも俺の勘違いか?」
 きっと睨みつける小笠原を、工藤は平然と見返した。
 どうやら小笠原は良太とのやり取りを聞いていたらしい
「それがどうした?」
「てめー、真帆ならまだしも、何で良太なんか、あんなやつまで……どういうつもりだ?」
 小笠原は激高した。
「お前が口出すことじゃない。真帆みたいなガキをどうしようなんざ、思ったこともない」
 工藤は淡々と答える。
「じゃあ、千雪ってやつとはどうなんだ? 遊びなら良太を離してやれよ」
「お前の知ったこっちゃない。もう帰れ」
 エレベーターが六階で停まり、工藤が降りる。
 小笠原はエレベーターの中から、社長室の鍵を開ける工藤に向かって声を上げた。
「てめー、良太を泣かすんじゃねー」
 それには何も答えずに中に入ってドアを閉めた。
 窓辺に立って小笠原が車で去る音を聞きながら、工藤は今更ながらに、良太がみんなから愛されていることを思い知るのだった。
  

 


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