夢ばかりなる50

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「だったらそのスケジュールを狂わすようなことばっかするんじゃないと、何度言ったらわかるんだ? バカヤロ!」
 雷は一呼吸置いてやってきたようだ。
「はあ………ども、すみません………」
 良太は神妙に頭を下げる。
「ったく、貴様というやつは………」
「だって、あんたは言ってくれないし……」
 ぼそぼそと良太は言い返す。
「だから自分でやるしかないって……」
 しばらく苦々しい表情で煙草を噛んでいた工藤は、ベッドルームに入っていく。
「まあいい、こいよ」
「え……」
 良太は呆然とその声を聞いていた。
「来いって言うのがわからねぇのか?!」
 工藤の怒鳴り声にびくっと肩を震わせ、良太はのろのろ立ち上がる。
 既に上着もシャツも脱ぎ捨てた工藤は、「何してんだ、入れよ」と、ベッドルームの入り口に突っ立っている良太を促す。
「抱いてやらねぇから、ぐだぐだ言ってんだろ」
「何だよ、その言い草はっ! 俺はあんたのことが心配で……」
 言いかけた良太の腕を引いてベッドに押しつける。
「わざわざ俺のあとをつけまわしたり、敵さんかも知れないやつにのこのこ会いに行ったりしてくれたわけだ? 俺のために?」
 あ、千雪さん、チクったな!
「うっせー、わかったよ! もう知るか! 離せよ! 誰がこんなクソオヤジ……」

 


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