嫌だ、やめろと声を上げながらも、たやすく追い上げられて、佑人の目じりから知らず涙が零れて落ちる。
「やだ……やめ…」
「ダメ」
ふわりと佑人の身体が宙に浮いた。
と思うや力は今度は背後から佑人を抱き込んでいた。
はっきりと互いの肌の熱さを感じている。
「え……やっ! …そんなの……」
力の指が何か冷たい液体と一緒に思わぬところに入り込んだ。
佑人は力が何をしようとしているかを悟り、身を固くした。
後ろを触られていいることも異様にリアルで、恥ずかしさに肌が一気に赤く染まる。
力の指の生の感触が佑人を怯えさせる。
こういうことも当然ありとは覚悟していたつもりだが、力のやることはいつも唐突でビックリ箱みたいなのだ。
そんなことを考えた矢先、今度は指ではないものが押し入ってくる。
「う…あっ……や……無理……!!」
だが、そうなった力をもう止めることができないのだと、佑人は身をもって知ることになる。
「力っ! ダメ……」
佑人が叫ぼうが喚こうが、やがて大きな塊を佑人は呑み込まされた。
最初は佑人を気遣ってゆっくり動いてた力だが、そのうちに段々抑えられなくなって激情のままに揺さぶられる。
強烈な痛みと圧迫感に勝手に涙が溢れてくる。
「やっ…力…ち……」
突き上げられ、佑人はただ声を上げるしかできない。
「佑人……!」
耳元で低く名前を呼ばれたのちの記憶が佑人にはない。
目が覚めた佑人は、しばし、そこがどこなのかわからなかった。
辺りを見回して力の部屋だということに思い至ると、はっと身体を起こした。
だが、次には後ろの鈍痛に思わずまたベッドに倒れ込む。
否が応でも昨夜の出来事を思い出さないではいられなかった。
それはまぎれもない事実で、しかも今の時間が既に朝の六時を回っていることに気づくと、重い身体を引きずるようにしてベッドから這い出した。
力が我慢してるんじゃないかなんて思ってたけど、いきなりこれってどうだよ!
そんな風に怒ってはみても、胸の奥から何か暖かいものが溢れ出して身体だけでなく心の中までを満たしていく。
身体を繋げただけで、力と互いに深く溶け合うような知る由もなかった感覚が蘇って佑人を震わせる。
佑人をそんな目に合わせた張本人は、タローとともに消えていた。
おそらく朝の散歩に行ったのだろう。
「あ、ラッキーの散歩!」
家のドアにはラッキーの出入り口があって、首輪をセンサーが察知して開閉するようにはなっているから、庭を自由に走り回っているラッキーは、トイレに関しては心配はないだろうけれど。
昨夜あのまま家に帰らなかったのだということも思い知らされる。
脱ぎ散らされた服をかき集めてバスルームに入ると、シャワーを使いながら、おそらく真夜中帰っているはずの兄には外泊を知られてしまったかも知れない、と言い訳を考えなくてはならなかった。
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