好きだから112

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「うへ、えらいことになったな」
 直子からラインでメッセージを受け取った良太は、思わず声に出した。
 さっき出て行った工藤から、藤堂の案件に青山プロ馴染みの制作会社を紹介した旨を聞いたばかりだった。
「しかし、スケジュールタイト過ぎないか? この年末に。佐々木さん、大丈夫かな」
 直子もそう思ったから無理やり同行を決めたのだろう。
 特に佐々木の体調管理が気になるに違いない。
「そうすっと、週末の忘年会、佐々木さんら無理かな~」
 この週末、金曜日に予定されている青山プロダクションの忘年会には、佐々木と直子の二人とも出席の返事をもらっているのだが、この分だと来られない可能性も大だ。
「ま、しょうがないっか」
 そういえば、この仕事の話が出る前、沢村が佐々木に別れを言い渡されて、ひどく落ち込んでいることを直子に話すと、忘年会に沢村も呼んでほしいと頼まれたことを良太は思い出した。
 佐々木と会わせて、二人の距離を縮めよう作戦だと言っていた。
「一応、佐々木さんのことは話さずに沢村を忘年会に誘ったけど」
 また、沢村、会えないのかな。
 そう考えると、直子でなくともどうしようもない歯がゆさが良太の胸に渦巻いた。
 
 
 
 

 


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