「ったく、ウザい」
沢村は眉を顰める。
何だって、ここにきて、佐々木さんの名前を毎日聞かされなきゃならないんだ。
悪いが、佐々木さんのことなんか、わざわざお前にイチから説明してもらわなくても、よく知ってんだよ、ばーかばーか!
って、俺はガキかよ!
一昨日、ここで、佐々木さんを見た時は、もしかして仕事にかこつけて俺に会いに来てくれたんじゃないかなんて、ほんと、俺もとことん甘い野郎だぜ。
昨夜良太から忘年会の誘いがあったが、おそらく俺のようすから話を聞こうとかいうことなんだろう。
かおりちゃんや肇らとというから、うっかりOKしちまった。
くっそ、良太と飲んだりしたら、きっとボロが出る。
また泣きついてしまいそうだから、やつの顔もあまり見ないようにしてたのに。
沢村はそのまま走り出した。
「え、もう走るん? 待ってぇや」
「うるさい、誰がお前なんか待ってるか!」
沢村のそんな罵倒もなんのそのの八木沼は、慌ててウォーミングアップを済ませると、ダダダっと一目散に沢村に追いついた。
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