いつの間にか街の中に入っていて、もう次の角で幸也と道が分かれる。
「じゃな、また明日」
「あ、マフラー」
「ああ、いい。お前にやるよ。その代わり、風邪治せ」
幸也はそう言って手を振った。
その後姿を見つめながら、勝浩はしばらくそこに立ち尽くしていた。
なんてこった!
こんなバレンタインデーって、あり?
今まで生きてきて一番、幸せな日かもしれない。
勝浩は幸也がくれた黒いマフラーを握り締める。
三月になれば、幸也はこの学園を去るだろう。
もしかしたら、もう、永遠に逢うことはないかもしれない。
―――――でも、
いつかもし、再び幸也と出会うことがあったら、その時は自分の気持ちを言えるかも知れない。
例え、もうどうにもならないとしても。
その頃なら、時が、きっと彼の心を癒してくれているだろうから。
いつか、もし逢えたら―――――――――――。
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