受けることはできるだろうけど、そこまで気持ちを引きずっていたら、自分が見えなくなる。
コホッ、と勝浩は咳をした。
「あ、お前、風邪だろ? どうも顔が赤いと思ってた」
そういったかと思うと、幸也は自分のマフラーを取って、いきなり勝浩のマフラーの上からぐるりと巻いた
「また無理して勉強してたんだろ。大体お前、遊びが足りねーんだよ」
いつかの小学生に言ったみたいなことを言う、と勝浩は笑う。
「遊んでますよ。ディズニーランド好きだし」
「ちゃー、遊びが違うよ、遊びが」
「長谷川さんは遊びが過ぎるんです。そういう人はこれから政治家とかにはなれませんよ」
「誰が、んなもん、なるかよ」
「え、おじいさまとかのあとを継ぐんじゃないんですか?」
「俺は自分の仕事は自分で見つける。俺さ、ロケット作りたいんだ。いずれは宇宙ステーションとかで仕事するの。面白そうだろ?」
幸也は笑う。
「ロケットかぁ、いいなぁ」
勝浩は微笑んだ。
「お前は?」
聞かれて勝浩はちょっと言葉をつぐむ。
「俺は、そうですね。動物とか興味あるから、動物学とか。獣医ってのはちょっと苦手そうなので」
「まぁた、地味なことを。ま、勝浩らしいっちゃ、らしいか」
バスを使わず、二人でずっと話しながら学園からの坂道を歩いて降りてきた。
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