リヨンのCIRU捜査官もチャーター機を遠巻きにそれぞれ散らばり、おそらくやってくるだろうオーフェルベックとルカ、ケインの一行を待った。
一方、デレクが乗り込んだボルボのAUVを運転していたのもどうやらドランの部下で大柄な男だった。
ごつい男で、アフリカ系だろうが、生粋ではないだろう顔だちをしている。
やはり武装してハンドルを握っているが、サングラスの下からニヤリと笑って、「あんたがデレク・ローズマリー? 俺はネイサン、ネイサン・ブレンダーだ」と前を向いたまま言った。
「ああ、よろしく。やっぱ、空軍?」
ナビシートに座ったデレクは聞いた。
「空軍上がり。今はドラン部隊だ」
「ヘリにいたほかのやつらも?」
「ああ」
「やつらにこりともしねぇし、自己紹介なんか誰も」
「まあな、やつらは人見知りだからな」
「何だよ、その人見知りって」
どうやらこいつは多少話せるやつらしいと、デレクはちょっと笑った。
「何か、ドランってすんげ怖えって聞いた」
「まあな。見かけに騙されるな。ありゃ女じゃない。っと、ンなこと言うと差別だとかハラスメントだとかって鉄拳くらうから、本人の前ではやめとけよ。客観的な事実を言ったまでなのにな」
ふっとデレクは苦笑いする。
「肝に銘じとく」
ほんとならこんな話をすることも、この男と知り合うこともなかったはずなのに。
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