またラコストのデスマスクがデレクの脳裏をよぎる。
「お前も軍にいたって?」
「ああ。シールズにちょっと。兄貴がギャングに殺られたんでやめてニューヨークに戻った」
「へえ」
そんな話をしているうちに車はヘリコプターが降り立ったというビルの正面に着いた。
「ちょっと中を見てくる」
武装したネイサンを残してそのあたりの若い男という風体のデレクはビルの中に入っていった。
ちょうどその頃、ドランはレミントンM700のスコープから、チャーター機に向かって行くカートに数名が乗っているのを確認した。
タラップに近づくとカートは停まり、四名の男が降り立つのがわかった。
「Dr.Cを確認」
ドランの声はデレクにも聞こえていた。
二階にいたデレクは、それを聞いて車に戻るべくUターンした。
渋いグレイのツイードのコート、身長約百八十センチ、栗色の髪を撫でつけた痩せぎすな体躯。
ドランはスコープからそういった詳細を確認した。
あくまでもルカはDr.Cということになっている。
ルカやケインの危険を察知した際は、相手を射殺してもよしという指令を出している。
ルカの後ろには黒い短髪、すらりとした長身、黒のトレンチコートに眼鏡をかけたケインが続いてタラップを上がる。
その後ろにいるのは金髪のギーツェンと大柄のフォクト。
ドランは確認しながらスコープで再びルカの顔をとらえた時、微妙な違和感を感じた。
素早くケインをも確認したドランはケインと思った男もケインではないことに気づき、「違う! Dr.Cではない!」
とイヤホンマイクを通して叫んだ。
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