席を立ったマイケルに、ロジァが声をかけた。
「今やってる案件、急ぎじゃないんで明日からはそっちに専念してください」
「え、いやあ、しかし、この部署に配属された当初、規定で特別な案件に携わっていない限り必ず終業時間までコマンドにいることって、耳タコくらい言われたし」
真面目な性分のマイケルは言った。
「Dプロジェクトに参加してるんだからいいんです」
「いや、Dプロジェクトはそうたいした案件じゃない………」
「いいから、ベッカーのろくでもない規定なんか無視したってかまいません」
言いかけたマイケルの言葉を遮ってロジァは言い放った。
「Copy」
マイケルは仕方なく納得いかないという顔で出て行く。
「呼ばれたらすぐ戻れるようにしとけばいんじゃね?」
ドアが閉まる間際、アレクセイの声がマイケルに飛んだ。
それを聞いたロジァは、よけいなことを、と小さく舌打ちした。
「Drグシュトラインへの報告書、送りましたか? アレクセイ」
さて、俺も帰るか、と立ち上がったアレクセイは、は? とロジァを見た。
「先日の医療施設の利用内容の件で早く提出しろと言ってきてますから、今日中に送ってください」
そう言うと、ロジァはたったかコマンドを出て行った。
「あんのやろう!!!!! 何で、今頃!!!!!」
終業間際になっての指令にアレクセイは腸が煮えくり返るとばかりに声を上げた。
「ボスの命令だから、しゃあないよなあ」
拳を握りしめて憤るアレクセイの肩をポンポンと叩いて、ケンがニヤッと笑い、部屋を出て行った。
続いてカテリーナもさっさと出て行き、アレクセイ一人残された。
「あんの、クソガキめ!!!!!!!」
アレクセイの雄たけびは空しく室内に響いた。
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