空は遠く249

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 よろしくな、と東山が言った。
「そう? サッカーとかうまいじゃん」
「いや、基本、俺ずっと、一匹狼できたし」
 東山が苦笑いする。
「昼飯つるんで一緒になんて、啓太に誘われなきゃなかったしな」
「え……」
「あいつ、なつっこいだろ。姉きとか年離れてるらしくて、ガキの頃寂しかったみてぇで、誰にでもすぐ声かけるんだよ。力なんか、ほんとはあんまし好んで人寄っつかねぇだろ。けど、啓太はなーんも考えねぇからさ。バカだけど素直だから嘘つかれても気づかねぇし」
 そう言われて佑人は初めて、ああ、と納得した。
 あの一見不自然なメンツのグループの中心は、力ではなく啓太だったのかと。
「まあ、力はああいうヤツだから怒るのはわかるけど、また、昼、顔出してやれよ。啓太、お前こねぇから元気ねぇし」
 嘘つかれても気づかないか。最初から疑ってかかる自分からすると羨ましい限りだ。
「でも、ほんと、とっとと負ければパスれるかな、なんて思っただけで、俺、テニスとかほとんと初心者だから」
「ああ、俺も遊びでやってるだけだし」
 だったらおそらくすぐに終わるだろう。
 テニスの希望者は二人だけしかいなかったため、審判や係員は二人以外で既に決まっていた。
 イベントや行事をバカにしているわけでも、嫌っているわけでもない。
 中学二年の頃までは、チームをまとめるのは大変だったものの、佑人もそれなりに頑張っていたのだ。
 一匹狼のようでいて、いざとなると司令塔にもなってチームを引っ張っていく力のような男なら、もっとうまくやれたかもしれないが。

 


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