空は遠く304

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「だからっ! わかれよ! 俺は前っからその、好きなヤツとかにはつい、逆のこと言っちまうんだよっ!」
 それって……
 佑人の心に青い高い空が広がっていく。
「言ってみろ、今、ここで。坂本にOKするのか、それとも……俺に…すんのか」
 ほとんど触れるか触れないかのところで力の声が低く響く。
 これはリアルなんだろうか。
 もし本当のことを口にしたらどうなるんだろう。
 得体の知れない怖さを覚えて佑人の全身が震えた。
 頭で考えるより先に言葉が勝手にこぼれてしまう。
「……坂本は……友達だ……ほんとは……俺……お前のこと……好き……」
 途中で佑人の言葉は力の強引な口づけに途切れた。
 幾度も繰り返し施される口づけは、やがて佑人の心を溶かし、佑人は力の背中に腕を回し、ぎゅっとしがみついた。
 雨と夜の帳が周りから遮断するようにしっとりと二人の影を包んだ。

 


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