ひまわり(将清×優作)17

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 元気や古田、浅野、優作は外部受験組だが、他のメンツは大抵付属高校上がりだ。
 幼稚園から付属といういかにもおぼっちゃまという風貌の佐野は意外にもロックファンで元気に懐いていた。
 ミドリと一緒に常に将清の取り巻きという感じで女子学生が何人かいたが、一人はミドリとともに初対面で優作を笑い飛ばしてくれた芽衣、いつも上から下までブランド物を身に付けているまどか、みんなそれなりに美人だが、琴子は可愛いが他の女子のように私が私がというタイプではなく、優作の唯一の彼女だった佳澄にどことなく雰囲気が似ていて付き合うんならこんな子がいいな、などとこっそり思っていた。
 その日も将清が先導した飲み会には総勢三十人ほどが集まっただろうか、近くの居酒屋に早めに繰り出して、リーマンたちが顔をのぞかせる頃になると、河岸を変えることになり、将清が途中コンビニに立ち寄り、各自酒やつまみを調達すること、とみんなを率いてやってきたのは、将清のマンションだった。
 いつの間にか当然将清と一緒にいるメンツとして優作はミドリや芽衣にも認識されてしまい、たまたまバイトがなかったこともあって、この飲み会にも将清に連行されていた。
「すんげ、億ションっての?」
「うわ、え、一人で住んでんの?」
「超セレブ!」
「世の中不公平だ!」
 コンシェルジュ付きタワーマンションの上層階に、将清の部屋はあった。
 セキュリティ的にも簡単には入れないだろうし、将清が住む世界が違う人間だと優作が認識したのはエレベーターの前に立った時だ。
 居酒屋から流れてきたのはそれでも二十人ほどはいただろう、各々勝手なことを口にしながら何人かずつに分かれてエレベーターに乗り込んだ。
「ふざけんな、超絶景!」
「ヤバイ! 東京の夜景、独り占めとかちょっとずるくない?」
 初めてこの部屋を訪れた面々は、さらに広い居間の一面ガラス張りの窓が夜景を映し出しているのを見て声を上げている。
 優作はと言えば、声を上げるどころか、しばしあっけにとられたように部屋の真ん中で突っ立っていた。
 ほんとに、ドラマみたいなこんな生活しているヤツっているんだな。
 心の中でぼんやり呟いた。
 住む世界が違うというのを初めて目の当たりにした。
 多分、学生時代が終わったら、こんなヤツもいたっけな、くらいにお互いに自然と縁も切れていくんだろうな。
 まあ、同級生とかクラスメイトとか、どのみちいつの時も同じようなものなんだろう。
 地元では、優作にも友達とか親友とか仲間とか思っていたやつが何人かいた。


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