ひまわり(将清×優作)19

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「何だよ、大学入ったからやっと大っぴらに吸えるってもんだろ」
「バッカ、煙草なんか、高校卒業したらすっぱりやめるもんだろ?」
「将清、お前……っ!!」
 もうかなり酒が入ってみんながゲラゲラ笑っている。
「ほんとにやめたもんね、煙草、高校卒業したら」
 優作の隣でミドリも笑っている。
「はあ? 呆れたやつだな」
 優作はちょっと同感と思ったのを思い切り打ち消した。
 きゃあ、っと悲鳴のように笑いながら、グラスを持ったまま、酔った芽衣が将清の首に抱きついたのが見えた。
「え、ミドリ、優作の彼女じゃないの?」
 思わず口からこぼれていた疑問に、ミドリがフフッと笑う。
「さあ、彼女とか、決まった子いないんじゃない? 高校の時は寝てたけど、彼女とか、そういうんじゃなかったし」
 さらりとミドリが口にした言葉に、優作は言葉が出てこない。
「ねえ、ミドリ、アイス、どこにあるの?」
 女の子がミドリを呼んだ。
「冷凍庫に入れたはずだよ」
 ミドリがキッチンに向かった。
 何だよ、それ。
 高校の時は寝てた? ってことは、今は? 別のだれかってことか。
 何だよ、女、とっかけひっかえ、しっかりモテ男じゃん。
 じゃ、あの子も、将清と……。
 優作の視線の先には、他の女の子よりは可憐な風情の琴子がいた。
「今、琴子のことヤーらしー目で見てただろ」
 ふいに耳元でそんな台詞を囁かれて、優作は思わず飛び退った。
「な、な、何だよ!」
 いつの間にいたのか、将清は焦って赤くなる優作の肩に腕を回してぐいと引き寄せる。
「一応、教えといてやる。かーわいい面に騙された男どもを手玉にとって、一時は二股三股とか軽ーくやってたぜ。で、男どもは可愛い面に文句も言えずに去るってパターンだ。お前みたいなのが太刀打ちできる相手じゃねーぜ、チェリーちゃん」
「な、誰が、ちぇ………!!」
 優作は将清から逃れて睨みつけながら、真っ赤になって拳を握りしめた。
「あれ、ビンゴ? そっかそっか」
 明らかにからかいの混じった目を向けながら、優作の頭を撫でまわす。
「うるさい! 俺がどうだってお前に関係ないだろ!」
 俄かに将清の言葉が、ミドリの高校までは寝ていたというフレーズが生々しく蘇えって、優作はイラついた。
「誰とでも寝るみたいなお前と、一緒にすんな!」
「やーん、優作ちゃん、怒ると可愛い~!」
「うるさい!」
 酔っているのか、ムキになった優作の抗議もへらへらと笑う将清には暖簾に腕押しのようで、優作はそれ以上何かを言うのもバカらしくなって、手に持っていたビールを一気に飲み干した。
 フン、こんなやつとは、適当につきあってればいいんだ。
 まともにとりあっていたらこっちがバカをみるだけだし。
 どうせ、四年なんてあっという間に終わる。
 こいつらみたいに遊び暮らしていられるような身分じゃないんだ、こっちは。
 きっちり卒業して、ちゃんと就職しないと。
 

 


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