通夜にも葬儀にも同級生が入れ代わり立ち代わり参列した。
やはり通夜のために東京から駆け付けた三田村は桐島と久々顔を合わせた。
桐島は最近、壁にぶち当たり、自分を持て余して、ドイツから二日前に帰省していたのだと言った。
「まるで…………」
そこから先は言葉にならなかった。
葬式のあと、江美子の母親が、同級生にもよかったら斎場まで見送ってやってくれと頭を下げた。
葬儀社のバスに乗りきらない同級生らは、各々自分の車でバスのあとを追った。
安川の車に便乗したのは、千雪、京助、研二だ。
三田村と菊子、住田は桐島の車で向かい、井原や辻ら何人かは島田のバンに乗り込んだ。
誰もがまだ信じられないでいる、そんな状態のまま、点火された時、「江美子ぉ!」と野太い声を上げたのは酒屋の島田だったか。
途端、菊子が力が抜けて足元から崩れそうになったのを、隣に立っていた千雪が支えた。
通夜の席で千雪は初めて江美子の夫、菊子がバカ旦さん、と呼んでいた男を見た。
江美子の両親が涙を抑えられない横で、何か呆けたような顔で座っていた。
千雪は一瞬、お前のせいや、と怒りに任せて掴みかかりたい衝動にかられた。
おそらく江美子の事情を知っている同級生は、大概同じようなことを考えたのではないかと思う。
何もかもがあれよと言う間に過ぎて行った。
斎場から戻ってきた千雪、研二、菊子、三田村、桐島、辻、井原、安川、島田は京助に誘われて、千雪の家に寄った。
「江美子のうち、庭の垣越えたらすぐなんやな」
三田村が改めて口にした。
お茶を入れてみんなに配ったのは京助だ。
「おおきに、すんません」
井原が立ち上がったが、京助はそれを制して、みんなの少し後ろに陣取った。
菊子も桐島もすっぴんで、涙の痕がひどく、菊子は泣きはらした目が腫れていた。
「医学って進歩してるんやないんか。何でお産して死ななあかんのや」
急に口にしたのは島田だ。
「うちらかて何べんそれ言うたかわかれへん!」
怒ったように答えたのは菊子だ。
「うちと菊ちゃん、ちょうど江美ちゃんとこに顔出しとったんよ。そしたら、江美ちゃん、急に産気づいて………、そのまんまうちらも救急車のあと追って病院行ったんや」
「何や難しい顔して、先生が、帝王切開やいうて………」
「そのうち赤ちゃんの泣き声が聞こえたんよ。うちら、産まれたて、喜んどったら……また俄かに慌ただしゅうなって……」
菊子と桐島が交互にその時の状況を口にする。
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