「千雪先輩、ご学友が亡くなられたとかで、かなりきつそうやったんですが……」
佐久間はようやく切り出した。
「そりゃま、きついさな。簡単にダメージが回復するわけはない」
「そ…う、ですよね………」
「それだけか?」
京助が促すと佐久間はちょっと戸惑い気味に口を開いた。
「あのう……やから、そんな時に先輩に聞くわけにもいかへん思うし……けど、もう、ずっと、俺の中で、わけわからんようになってしもて………」
京助はフンと鼻で笑う。
「だから何だ?」
「あのう………やから、京助先輩は、そのう、あの人と付き合うてたんやと思うてたんやけど、真夜な…………いや、そのう………」
佐久間は途中で言葉を切って首を傾げる。
「ああ、こいつの真夜中の恋人のことか?」
横から速水が口を出す。
「え……いや、その言葉言うたら二度と口きかんて、千雪先輩いわはるし」
速水は声を出して笑った。
「そりゃそうだな」
「るせえぞ、克也。だから何が言いたいんだ? てめえらが勝手に千雪のことをくだらない名前で呼ぶからあいつがキレたんだろうが」
京助は腕組みをしてふんぞり返る。
「いやだから、そのう、俺てっきり、京助先輩あの人と付き合うてた思うてたから、そのう……キスしてたんオレ、見てもうたし…………………」
「付き合うてたんじゃなくて、だから付き合ってるぜ?」
佐久間は何か言いかけた口をあんぐり開けたまま京助を見た。
「もう五年来の付き合いだからな」
それを聞くと、佐久間は口をパクパクとする。
「え………五年………て、京助先輩、いろんな女の子と………」
「お前らが勝手に騒いでただけだろう。まあ、一度、昔の知り合いがウツで、ちょっと世話焼きすぎたらマスコミが騒ぎ立てやがって、去年の春だったか、千雪のやつから最後通牒渡されて、平身低頭、えらい目にあったがな」
「って、あのモデルの…………」
佐久間はすぐに思い当たったようだ。
「わかったらお前、金輪際俺らの邪魔をするなよ? あの性格だから、ブチ切れると手におえねえし、引導渡されるどころか、部屋顔出した途端容赦なく蹴り出されるからな。ただでさえ、俺が誰にでも話し過ぎるとかって腹立ててるんだ」
京助はきっぱりと言い渡した。
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