メリーゴーランド118

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「もう五年来の付き合いだからな」
 それを聞くと、佐久間は口をパクパクとする。
「え………五年………て、京助先輩、いろんな女の子と………」
「お前らが勝手に騒いでただけだろう。まあ、一度、昔の知り合いがウツで、ちょっと世話焼きすぎたらマスコミが騒ぎ立てやがって、去年の春だったか、千雪のやつから最後通牒渡されて、平身低頭、えらい目にあったがな」
「って、あのモデルの…………」
 佐久間はすぐに思い当たったようだ。
「わかったらお前、金輪際俺らの邪魔をするなよ? あの性格だから、ブチ切れると手におえねえし、引導渡されるどころか、部屋顔出した途端容赦なく蹴り出されるからな。ただでさえ、俺が誰にでも話し過ぎるとかって腹立ててるんだ」
「はあ……千雪先輩、ほんまに怒るとブリザード並みに怖いですもんね……はあ……」
 佐久間も身に染みているようで、大きな溜息をついた。
「大体、お前、正月に千雪のうちまで押しかけといて、わからなかったのかよ?」
「そんなん、わかるわけないですやろ? やたら飲ませられて、気がついたら朝になってしもて……」
「は、やつら、千雪の同級生ら、みんなで結託してるからな」
 フンっと京助は笑う。
「ああ、その通り。俺も見事にやられたぞ。名探偵のご学友に。名探偵に何かしようもんならただじゃおかないってな」
 速水が口を挟む。
「でも何だってあんなコスプレみたいな…………別人……ってか……」
「あれは高校まで女の子に追いかけまわされてトラウマになったらしくて、大学デビューであのコスプレに至ったらしい」
 京助の代わりに速水が答えた。
「はあ……」
 佐久間はがっくりと項垂れた。
 俺は何も知らんと、てっきり千雪先輩があんななりやから女にモテへんとか思い込んで、何やねんそれ……。
 そら俺の忠告なんか聞く耳持たんわけや。
「俺なんか下僕並みにつくしてやってるのにだ、何だかだと文句言いやがるし」
「お前のははっきり言ってまるでおかあさんだ。食事管理から何から、あの世間知らずな名探偵のために……」
 速水がつらつら口にしている時に、佐久間が急に、ああああっ、と喚いた。
「るせえな、何だよ」

 


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