メリーゴーランド142

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 そういえば、京助、この子とは子供の頃からの付き合い言うとったな。
 この子のお祖父さんと京助の父親が学友でとか何とか。
 パーティの時も険悪っぽかったけど、親しいには違いないんやないか?
 うーん、京助の部屋やいうことはわかれへんかったみたいやけど、確かにあの部屋はセキュリティしっかりしとるしな。
 アスカが祖父らしき相手と電話をしている横で、千雪はそんなことを考えていた。
 と、携帯が鳴った。
 表示を見るとまるでこちらの意思が伝わったかのように、京助からだ。
「ちょっと、妙なことに巻き込まれてしもて」
 今アパートかという京助に、千雪はあたりさわりのない言い方をした。
「妙なことって、まさかなんか事件じゃないだろうな?」
「いや俺が巻き込まれたんやのうて、アスカさん」
 すると、京助が「アスカだと?!」と大きな声を上げた。
「るさいな。喚かんでも聞こえるわ。とにかく、自宅まで押し入られよって、今自宅には誰もいてないからまだよかったみたいやけど、これから警察が立ち入りやし、アスカさん自身がつけ狙われとるんや」
「んなもん、警察に押し付けてとっとと帰りゃいいだろ」
「そうもいかんやろ。俺が渋谷さんに紹介した手前。それはええけど、アスカさん、お前の部屋に泊めたってもかまへんな?」
「なんだとおお?!」
「これからホテル探すより、セキュリティしっかりしとるあの部屋の方が安全やろ」
 すると、フン、と言ったまま、しばしあったが、
「俺は明日帰るが、言っとくが長くて二、三日だぞ? 帰ったらお前の部屋行くからな」
「しゃあないな」
 さすがに女の子がつけ狙われているとか聞けば京助も頷くとは思ったが、アスカがもし京助のことを嫌いだとすれば、部屋の主が京助だとは言わない方がいいかも知れない。
「うん、大丈夫。お祖父様、だからそちらでゆっくりしてらして。うん、大丈夫、警察にも話してあるし」
 アスカが携帯を切ると、「今お祖父さん、どこにおられるの?」と千雪は聞いた。
「函館。もともと一カ月くらいの予定だったから、いいんだけど」
「ご両親には?」
「うーん、話しても、心配させるだけだし。ほとんど京都に住んでるから」

 


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