メリーゴーランド164

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「何でもあるて、前に、工藤さんとこの平造さんに教えてもろた。でもまだ行ったことないんや。そういや、工藤さんとこの別荘てそう遠くないんやな。平造さん元気やろか」
「気になるんなら行ってみりゃいんじゃね?」
 千雪の何気ない言葉にも、工藤絡みだと思うと、京助はつい嫌味な言い方をしてしまう。
「明日にでも行ってみよ」
「工藤さんて、確か映画のプロデューサーの?」
 研二が聞いた。
「せや。たまたまうちの研究室のOBやって、宮島教授も気にかけてたみたいで」
「そのつてで映画化か?」
「まあ、そんなとこ」
 あんまり話すと色々面倒なことが思い出されるし、京助もやはり面白くなさそうな顔をしている。
 京助てほんま、すぐ顔に出るからな。
 スーパーカメヤに着くと、京助の指示でそれぞれカートを用意し、各々のジャンルに別れ、今屋敷にいる全員のほぼ三日分の食料を買い出しにかかった。
 千雪は野菜、果実の食材、研二は肉、魚の食材、佐久間は粉ものや調味料とそれぞれの区画に出向いた。
 京助はチーズやパン、酒などを調達すると、キャッシャーへと集まってきた。
「佐久間はまだか?」
 千雪と研二はやってきたが、佐久間の姿が見えない。
「俺、ちょっと見てきますわ。調味料ややこしいもんわかれへんかもしれんし」
「おう、頼む」
 千雪はカートの中を見て、「なあ、こんなんでええんか? いくらするとか考えんでもええいうから、ええもんを、とにかくリストにあるもんを放り込んだんやけど」と京助に尋ねた。
「いいだろ。研二の方も悪くないチョイスだ」
「三日分の食料? 今夜は何するん?」
「今夜はシェフが専門だっていうフレンチ、明日は鍋、明後日はイタリアンだ」
「えろ、豪勢やな」
「半分は速水に請求書を回すからな」
「それはええ考えや」
 千雪はふっと笑う。
「遅うなりました」
 そこへ研二と佐久間が戻ってきた。
「何や、チンプンカンプンな名前で、スタッフさんに聞いたりしてて」
「全部あったか?」
「はい、研二さんに教えてもろて」
 千雪は研二を見た。
「料理の方もわかるんか?」
「まあ、似たようなもんやろ。調味料、おもろいもんが結構あるから」
「ふーん」
「料理の方もできるのか?」
 京助も研二に尋ねた。

 


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