食材を車に詰め込んで、一行は一路別荘へと向かったが、彼らの行く手にまたもや面倒ごとが待ち受けているとは思いもよらなかった。
ちょうど京助が携帯で門を開けた時だ。
その携帯がいきなりコールした。
「はい………何だと?!」
京助はややあって後ろを振り返った。
すると赤のアウディが京助の車の後ろについており、派手にクラクションを鳴らした。
「てめ、何しに来やがった!」
京助は振り返ったまま後ろの車の運転席に向って怒鳴った。
助手席に座っていた千雪も何ごとかとバックミラーを見た途端、「うっそやろ? 何で????」と声を上げた。
「どないした? 何かトラブルか?」
後ろから研二が心配そうに聞いた。
「いや、トラブルいうか…………」
アウディのハンドルを握っているのが誰か、すぐわかって、千雪は頭を抱えたくなった。
「うるさい、京助! 怒鳴らないでよ! それより早く行ってよ、入れないじゃない!」
隣にいる千雪にも聞こえるほど携帯の主は声を上げている。
京助は仕方なく、車を玄関前につけた。
「食材、手分けしてキッチンに運んでくれ。公一に聞いてカート持ってきた方がいいな」
「わかった」
京助が後ろからついて入ったアウディの方へ歩いて行くのと逆に、千雪はそそくさとカートを取りに向かった。
「お前まで何しに来やがった?」
「あたしはちゃんと藤原さんに了解を得て来たんだから。速水とか理香とかと一緒にしないでよね!」
速水は藤原に聞いたと言ったが、確かに了解を得て来たとは言わなかった。
「だから何の用で来たんだ?」
「小林千雪、いるんでしょ? あたしは小林千雪に会いに来たのよ!」
その声は千雪の耳にも入った。
しばらく彼女と一緒に行動した千雪にはその声は耳タコだった。
千雪はとりあえず、アスカに見つからないようキッチンに向かった。
「千雪はお前とアポなんかとってねえってよ、アスカ」
「取るわけないじゃない! あたしから逃げ回ってるみたいに、工藤さんに言っても携帯も教えてくんないし、たまたまお祖父さまが綾小路行った時、藤原さんから京助がここにいるって聞いたから、小林千雪も絶対ここにいると思ってきたのよ!」
文句を並べ立てながら、アスカはトランクからキャリーケースを取り出している。
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