メリーゴーランド187

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「声に剣があるよ、ほらあ、その顔で睨み付けられるとグサグサくるよ」
「速水さんがその程度でグサグサとかあれへんでしょ、俺よりずっとツラの皮が厚そうやし」
 すると、食事を終えた京助が立ち上がった。
「天気もいいし、今日はテニスでもするか」
「千雪ちゃん、見損なってるのは京助だぞ。シゴキ好きなお山の大将なんだぞ!」
 速水が先生にチクる幼稚園児のように喚いた。
「うっせえな。強制してるわけじゃない。好きなように過ごせばいいんだ。テニスやりたいやつがやればいいだけだ!」
 腕組みした京助は威張って言い放つ。
「テニスですか。おはようございます。よかったら私もご一緒してよろしいですか」
 いつの間に来ていたのか、秋山が申し出た。
「おはようございます。どうぞ、歓迎しますよ」
 京助は秋山には丁寧だ。
「じゃあ、俺もやらせてもらいます」
 研二が言うと、「ほな、俺も」と千雪が立ちあがった。
「じゃあ、俺も俺も」
 三田村や佐久間もテニスに参加することになった。
「俺はその辺、散策してくるわ」
 辻は一人別荘を出て行った。
 理香もアスカもどこへ遊びに行くともなく、テニスを観戦することにしたらしい。
 遊び相手がいない速水も、結局一緒に観戦だ。
 この屋敷にはテニスコートが二面あり、公一と京助がネットやラケットなどを倉庫から運んできた。
 ラケットは年代物から新品まで色々あって、「うお、すげえ年代もんや!」と三田村はわざわざ面白がって、古いラケットを使うことにした。
 ネットを張ると、最初は適当にそれぞれ相手を見つけて打ち合いをしていたが、そのうち二人一組になってゲーム形式で勝敗を決めることになった。
「秋山さん、すご、本格的やないですか」
 参加を申し出ただけあって、秋山のプレーからテニスをやっていたらしいと誰の目にも明らかだった。
「大学までテニス部だったんですよ」
「どおりで」
 スタッフや客用の衣類が備品室のクローゼットに置いてあり、スポーツウエアもいくつか揃っていて、公一が渡したテニスウエアがえらく様になっている。
「日頃の運動不足を解消したらどうだ」
 結局、京助の嫌味とともに一人足りないからと速水も駆り出されてじゃんけんであぶれた三田村とペアを組まされた。


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