「ったくあいつら、いい加減にしろよ」
アニメソングが一段落ついたところで、「ようし、この辺でお開きにするぞ」と京助が声をかけた。
「ええ、これからやのに……」
佐久間と三田村は不承不承、他の面々に続いて部屋を出る。
「おい、アスカ! ったく飲み過ぎるなっつっただろ」
京助はソファに寝転がってそのまま寝てしまいそうなアスカの腕を引いて立たせると、「ほら、部屋へ行け」
既にリビングの大時計が午前一時を知らせた。
「おい、理香、アスカを部屋へ連れてってやれ」
「もう、しょうがないわねえ、大丈夫?」
「うん………」
とはいうものの、支えてないと階段を踏み外しそうだ。
速水がもう片方の腕を支えて、二人してアスカを部屋へ送り届けた。
「ほら、もう、どんだけ飲んだのよ」
アスカがベッドにダイビングしたのを見届けると、理香も部屋を出た。
一方、千雪がちゃんと部屋に戻っているか気になった京助は、部屋をノックしたが、返事がない。
ドアには鍵もかかっているので、おそらくさっきちゃんと部屋に戻って寝たのだろうと思われた。
翌日の午後、京助の運転するグランツアラーは、関越自動車道を東京へと走っていた。
助手席にはたったか千雪が陣取り、どちらかと言えば速水や理香よりこっちのメンツといる方が自然だろう佐久間も、ちゃっかり紛れ込んでいた。
京助は公一にも声をかけたが、車で来ているし、自分がハウスキーパーのスタッフをきっちり見送るからと言われて、先に軽井沢を出た。
速水と理香は小諸の方を散策してから帰るというので、朝食が終わると早々と別荘を出た。
秋山は朝食後にアスカを迎えに来たのだが、アスカも車で来ていたので、仕方なく二台連なって出て行った。
千雪を除いた四人は、名残惜し気に最後にひと風呂浴びると、公一が車を出したので、メインストリートの方まで散策に出かけた。
千雪にも声をかけたが、原稿やるから、と部屋に戻ってしまった。
研二はその背中をしばし見つめていたが、三田村にせかされて外に出た。
千雪は京助ともあまり言葉を交わすこともなく、気になった京助がコーヒーを持って様子を見に行くとひたすらキーボードを叩いていた。
「どうしたんだよ、急に」
「エッセー、頼まれてたやつ、休み明けに渡す言うてあって」
「またギリかよ」
「邪魔せんなや」
「わかったよ。三時くらいには出るからな。それまでに何とかしとけよ」
佐久間に呼ばれて昼は食べに降りてきたものの、出かける間際まで、千雪は部屋に閉じこもっていた。
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