メリーゴーランド205

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 車に乗り込んでも千雪は助手席で寝ている。
 明らかに同級生らとの間にまだしこりがあるようだ。
 研二、三田村、佐久間と順にそれぞれのアパートの前で降ろし、辻は一緒に千雪のアパートまで戻ってきた。
「休んでいくか?」
 車を降りると、京助はひょいとバックパックを背負う辻に声をかけた。
「何の、乗せてもろてただけやし。帰りますわ。ほんまにおおきに。ただで温泉旅行とか、普通ならあり得へん。何ぞてったうことでもあったら、いつでも呼んでください。何をおいてもかけつけますよって」
 ヘルメットをつけながら、辻は言った。
「千雪、ええ加減、拗ねるのやめて、研二に連絡とれや」
 エンジンをかける前に、辻は千雪にそう言いおくと、あっという間に駐車場を出て行った。
 京助はそのまま千雪のアパートに上がり込み、千雪がパソコンのキーボードを叩くそばで洗濯物を洗濯機に放り込み、食材が余ったので持ち帰ったのだが、それで夕食にビーフストロガノフを作り、野菜は温野菜のサラダにし、ついでに翌日用のサンドイッチに取り掛かった。
 千雪が一気に原稿を上げてメールで送ったのは八時を過ぎた頃だった。
 京助が用意した食事を物も言わずに平らげた千雪を、湯をためておいた風呂に追いやって、京助は後片付けをし、乾燥機から洗濯ものを出して畳む。
 そんな様子を速水が見たら、全くお母さんそのものだ、とでも言いそうだ。
 まあ、お母さんは風呂上がりにこんなことはしないな。
 既にベッドに転がっている千雪に京助はくらいついた。
 お母さんってより、お菓子の家の魔女か?
 太らせてから食う。
 するりと千雪を裸にむいてガツガツと食す。
「あ……ん………」
 などと色めいた喘ぎを漏らす千雪の身体は、手慣れた京助にそう時間もかからず開いていく。
 たまにそんな風に熱くなった千雪の奥を突くと、身体がもっととねだったりする。
 胸の突起を少し指が掠っただけでも吐息がひどく艶めいている。
 この際、お母さんと一緒でも、お菓子の家でも、割れ鍋に綴じ蓋でも何だってかまわない。
 京助を幾度も締め付け煽る千雪を、ただ自分の腕の中で抱いていられればいい。
 色めいた泣き声を上げながら意識を飛ばした千雪に口づけて抱きしめ、さすがに疲れてもいた京助は朝まで泥のように眠った。
 翌朝、携帯のアラームでむくりと起き上った京助は、いつものように朝食を用意して、千雪を叩き起こした。


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