メリーゴーランド232

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「今さら何言うてんのや」
 日曜のオープンを前に、プレオープンパーティとなるようだ。
 他にもこの芝ビルに初めて入った店舗などがあり、パーティも予定しているようだが、既に明日からパーティが毎日入っていて、最終日が研二の店ということになるらしい。
「店舗の方はゲスト案内するだけで、パーティは最上階のイベントスペースでやることになっとる。当日は菓子とお茶は出すけど、あとは芝さんの贔屓にしている業者に任せてのパーティメニューらしい」
「そんな、大々的なんか?」
「実は取材も、新聞系、テレビ関係、数社くるらしいで」
「そんなんか? 理沙子さん張り切っとったから、他の取材に負けんと頑張ってほしいわ」
「いや、それが、どこからか、綾小路家の披露宴にうちの菓子使ういう話がもれとったみたいで、こないだの結婚式もテレビとかSNSとかでも騒がれとったしな」
 わざと芝グループの広報がリークした可能性もある。
「あんまり宣伝も過ぎると軽う見られるから、そこは吟味した方がええ思うけどなあ」
「まあ、今は名前を知ってもらうんが先決やからな。芝グループの広報でもうサイトとかも用意してくれはってんけど、芝さん、ネット販売はよほどやないとやれへんて」
「せやな、やっぱ、ホンモノを直に味わってほしいいうんが、芝さんの信条なんやろ」
 そんな話をしていると、玄関が開く音がした。
 今日も無精髭で戻って来た京助は、電話をしている千雪をチラリと見やっただけで、バスルームに直行した。
 学食で見かけた時は、伊藤らと話し込んでいるようだったので、千雪も佐久間も声をかけずに研究室に戻ってきた。
 佐久間は伊藤と京助のことで何か言いたげな顔をしていたが、千雪は無視した。
 伊藤は佐久間の言うようにきれい可愛い系だが、千雪から見ると、やはり京助の相手を名乗るなら、五所乃尾理香くらいなオーラがある女性でなくては務まらない。
 今、考えてみると、大原文子さんなんか、一番よかったのに、などと思うのだ。
 あの人、もう日本に戻らへんのかな。
 この先、変な女に関わるよりは、文子さんにしといたらええのに。
 まあ、伊藤さんでも、少なくとも日向野よりはマシか。
 オープニングには三田村と一緒に顔を出すことを研二に約束して、電話を切った千雪だが、京助もいずれフィアンセなる女性を選ぶのであればと、千雪はつらつら、そんな余計なお世話なことを考えていた。
 頭の中はいろんなことでごちゃごちゃと収集がつかなくなっていた。
 ほんで、俺は、どないしょう。


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