メリーゴーランド241

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「でも、ご両親より藤原さんていう、前のご当主の頃からいらっしゃる執事さんが詳しいの。義父なんか、そうだったか、なんて、逆に聞き返したり」
 楽し気に話す小夜子を見て、千雪は何だかだ周りで騒がれているが、この結婚は小夜子にとってよかったのではないかと改めて思う。
 ほんまに、前の明るい小夜ねえに戻った気いする。
 そのうち、千雪の両親、小林克己と夏緒の話や千雪の小さい頃の話になり、千雪も研二もよく笑い、和やかな会食となった。
「けど、研二、最近おっちゃんによう似てきたけど、おっちゃん、こんなおもろいのに、なんで研二、そこんとこ似てないんや?」
 ストレートに千雪に聞かれて、研二は苦笑いする。
「んなの、知るか」
「ほんまやわ。仕事ではマシになったけど、この子は昔から不愛想で」
 留美までが同調する。
「あら、寡黙な和菓子職人、なんていい響きじゃありません?」
 小夜子が研二の肩を持った。
「まあ、何せ、一時の人気に奢らんと、この先もずっとやって行けるよう精進せなな?」
「やだ、珍しくまともなこといわはるし」
 勲の言葉に留美が茶々を入れる。
 和気あいあいとした食事が終わり、研二のマンションに泊まるという勲と留美らと別れ、小夜子と千雪はタクシーを拾うことにしたのだが、「千雪ちゃん、ちょっといい?」と小夜子が言う。
 何や、また、面倒ごとやろか。
 千雪は思ったものの、二人は少し歩いた。
「あのね、さっき、買い物に出た洋子さんとせつさんを迎えに行った京助さんが来たのよ」
 千雪は小夜子を見た。
「そしたらお義父様とお義母様が、京助さんを部屋に呼んだみたいで、洋子さんがね、お茶を持って行った時、聞いたそうなの」
 何をや?
 千雪は口には出さずに次の言葉を待った。
「お義父様が、付き合っている人がいなければ、紹介したい人がいるって」
「そらまあ、ごく普通な話やな」
「京助さんそれを断って、付き合っている人はいるけど紹介する状況じゃないっておっしゃったらしいわ」
 千雪は眉を寄せた。
「あのね、二人が本気で付き合ってるのに、お義父様たちがもし二人のことに反対されたら、私は断固としてお義父様に抗議するわ。心配しないで。何なら、反対するのなら、この結婚はやめにするって言うわ」
 驚いて千雪は小夜子を見つめた。

 


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