メリーゴーランド295

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「実を言うと、京助のやつ、千雪くんからどうも三行半を突き付けられたらしいんです」
 事実のみを告げた速水に、紫紀はフッと笑う。
「カレンのことでか?」
「いや、それより前の話で、京助のヤツちょっと荒れてるんですが、何となく納得がいかないんです、千雪くんからの絶縁状ってのが」
「ふーん、そうなんだ」
 そう言うと、紫紀はしばし考え込んだ。
「実はね」
 紫紀が切り出したので、速水はグラスを置いた。
「小夜子さんが他にも気になることを言っていてね」
「小夜子さんが?」
「先日、京助がうちに寄った時に、うちの親二人が京助を呼んで、相手がいないなら紹介したい人がいると言ったら、京助は付き合っているが話す段階じゃないと言ったそうなんだ」
「ここのところ、京助に対して縁談攻勢がかかってますよね。でなくてもミスT大が積極的に言い寄っているし」
「学内のことは今に始まったことじゃないが、京助は千雪くんがいるのに食指は沸かないさ。ただ、俺が片付いちゃったもんだから、京助が集中攻撃を浴びることになっちゃって、さすがに申し訳なく思ってね」
 本心かどうかはわからないが、一応紫紀も京助のことを心配しているのは確かだろう。
「まあ、いい年ですし、綾小路の次男とくれば周りがほっときませんよね」
「ああ、九条の叔父経由で紹介された子もいたっけね」
「あれはちょっと勘違い娘で、京助も相手にしないどころか、付きまとわれてしまいには怒鳴りつけてましたよ」
「あらら、可哀そうに。身の程を知ったかな、それで」
「紫紀さんのがきついっすよ、それ」
 速水は苦笑する。
「しかし、京助の性格なら、縁談がどうのとうるさいと思ったら、とっくにぶっちゃけそうじゃないか? 昔の綱俊おじのことを鑑みれば。ところがまだ話せないだのと煮え切らない。さすがに俺が口にするわけにもいかないし」
「ああ、それ、千雪くんに釘刺されてるんですよ。バラしたら終わりって」
「なるほど」
「京助の方はストレートに千雪くんに尽くしてるし、千雪くんの方はどうなんだかと観察してたんですが、かなりひねくれてるけど千雪くんもまんざらではないと思ってたんですけどね」
 まさか、俺の言動を根に持ってってか、俺があんなことを言ったから、千雪ちゃん、京助と別れることにしたとかじゃないよな?


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