「ほんで、今日はどこどこ行った、言うて、報告したったらええわけや」
「いちいちそんなことする必要はないけど、とにかく携帯切らんと、こっちで何があるかもわかれへんやろ?」
不貞腐れたようにつっかかる千雪に、研二が言うのは至極もっともでしかない。
「……わかった」
「ほんまやで?」
「わかったて、ガキやあるまいし」
念を押す研二に千雪はむきになって言い返す。
「そういう態度がガキなんだ」
京助はフンと鼻で笑う。
すると千雪は二人を睨み付けるように見た。
「ほな、俺はもう寝るし。心配かけて、こないなとこまでご足労かけて悪かったわ。明日はとっとと仕事に戻ってくれ」
そういうと、千雪は足早に部屋を出て行った。
それを見て、大きく溜息をつく研二に、「まあ、あのようすじゃ、心配ないだろ」と京助は苦笑いする。
「確かにええ大人やのに、過干渉やろか、思わんでもないんですけど」
ボソリと研二は呟いた。
「フン、あいつもこれに懲りて、雲隠れみたいなマネはしないだろうさ。辻のナビのことは知ってて、あのやろ、それこそ何ぞの時のために辻に行先を言って行ったわけだ。クソ生意気なマネしやがって」
「捻くれてるわ。謎解きもどき」
研二も苦笑する。
「腹が減ったな。まだ、店、開いてるだろ、行くぞ」
京助は立ち上がった。
研二も異論はなかった。
いくら地方都市のホテルのレストランだとしても、無精髭の男は普段着に近く、向かいの男は幾分かマシのようだが、それでも二人ともくたびれた様子で黙々とハンバーグ定食を食べているという図は妙に浮いていた。
それ以前にフロントで既にその風体でスイートなどに泊まるのかと異様にも見られていたわけだが、この際二晩近く寝ていない京助と早朝から店に入っていた研二にはかまっていられなかった。
この二人が取るものとりあえずやってきただろうことは、千雪もその様子を見てよくわかっていた。
それでも性格上ついきつい言葉になってしまったのは今さらだが、ほんの少しは申し訳なかったと思っていた。
「にしても何で二人まとめて来るねん」
第一親に言うたとか、何考えとんね! 京助のアホンダラ!
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