メリーゴーランド342

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 伊藤と木村は今日午前中に、佐久間と京助とともに一月に行われることになっている空手部の追い出しコンパについて打ち合わせをすることになっていた。
 実際京助が顔を出す必要もないのだが、伊藤にもせっつかれていたし、佐久間にもできれば先輩も一緒になどと言われ、午前中ならという京助に合わせて九時半にカフェテリアでということになった。
 京助がうちから車で行くと言ったがために、神谷町に住んでいるという伊藤に木村と一緒に乗せていってとねだられ、虎ノ門で待ち合わせをした。
二人を乗せて三丁目の交差点に差し掛かってすぐ、京助の車は信号無視のトラックに突っ込まれ、歩道に乗り上げる寸でのところでハンドルを切って電柱にぶつかって止まった。
 京助は意識を失い、泣き叫ぶ伊藤の横で木村がすぐ救急車を呼んだ。
 一番最初に病院にやってきた三田村に木村が説明した、それが事故のあらましである。
 やがて藤原が駆け付け、佐久間や速水もやってきたので、三田村が状況を話した。
 京助の検査結果がでるまでは緊張の時間が過ぎて行った。
 医師が現れ、藤原が容態を聞くと、あちこち打撲はあるが骨折はしていない、ただCT検査では異常はなかったが意識がまだ戻らないと告げられた。
 ようすを見るために入院を必要とするが、今のところ命に別状はないだろうということだった。
「頑丈なやつだからな」
 ボソリと呟くと、速水と佐久間はまた来ると言って大学に戻っていき、三田村も会社が傍なので一旦戻ると藤原に告げて病院を出た。
「お二人とも、どうぞここは私がおりますので」
 藤原が伊藤と木村に言った。
「だって私たちのせいで、こんなことになって……、私、ついてますから」
 伊藤は頑として聞かない。
 木村は何も言わず、伊藤の横に座った。
 藤原としては丁寧に帰ってほしいと言ったつもりだったのだが、仕方なく諦めて、病室の準備が整うのを待っていた。
 携帯が鳴り、紫紀からだとわかると、藤原は待合室を出た。
 千雪が駆け込んだのはちょうどその時だった。
 それから木村から命に別状はないと聞き、伊藤が私がついてますから宣言をされた千雪が待合室を出るのと入れ替わるように藤原が戻り、昼近くになって三田村が戻ってきた。
 そうこうしているうちに紫紀と小夜子が現れ、速水や佐久間もほぼ同時に戻ってきた。


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